バナー用の金具製作

バナー金具 看板職人の看板製作記
バナー金具

とある施設内で使う、バナー用の金具です。
19セットのご注文です。誠にありがとうございます。

19セットですが、既設のポールに両腕式(ポール1本あたりバナー2枚)で、バナーが棚引きすぎないように、振れ止めの金具もセットになります。そしてポールの左右からの締め付けバンド方式です。
つまり1セットあたり4ピースで、合計76ピースも作らなければなりません。

色々あって、手持ちの材料で完全な手作りで行います。

バナー金具
バナー金具

まずは竿の先端の丸い蓋。38枚を1枚ずつ切り出しました。これを31.8ΦのパイプにTIG溶接。蓋を切り出すのは飽きますが、TIGは全集中でできるので楽しいです。でも、時間は掛かりますね。この手のものは高速パルスでやってます。
半自動だと一瞬で済むものの、ビードを削らなくてはならなくなります。

バンドのRの部分は、手持ちの丸パイプを半割り状態で切り出しました。組み合わせた時にプレートに5mmの隙間ができるよう、(直径+肉厚×2)×3.14÷2-5の長さの原寸紙を原稿ボンドでパイプの外R側に貼り付けて罫書き、切断しています。76個ですよ。
中学1年生レベルの簡単な計算ではありますが、職種によっては社会人になってから絶対にやらない計算ですね。全国の中学生諸君、円周率は社会に出てから意外と使いますぞ笑

バナー金具
バナー金具

バンドのプレートはフラットバーから切り出しました。152枚です。束ねて切るものの、バリ取り&黒皮取りしてると、これだけで丸一日近く掛かります。

プレートとRの部品はTIGで付けました。半自動なら速いんですが、やはりビードを削る必要が生じますので、TIGです。両面溶接ですから時間掛かります。152箇所×両面。

ボルト穴は、溶接前に予めポンチ打ちしておいて、溶接した後でボール盤で開けました。プレート状態で穴あけするのは、キリが噛みこんだりした時にホールドできず、大変だからです。場合によってはケガします。穴あけは228箇所。一発で12Φのドリルでは穴あけできませんから、最初に3mmくらいのキリで下穴開けてからです。ハイ、456回ですね。

U字の金具は、生鉄のシャックルのねじ部分を切り落として使っています。114個。コンターで切ったあと、サンダーで長さを揃えました。これをTIGでくっつけました。1個2箇所ですから溶接するのは228箇所ですね。生鉄とはいえ黒皮が張っており、TIGやりにくいです。

バナー金具
バナー金具

最後、竿とバンドをくっつけます。TIGだと竿の根元を切り欠きしてR面に擦り合わせる必要があり、大変です。これだけは半自動を使いました。全部で38箇所。さすがに速くて、2時間くらいで終わりました。

バナー金具
バナー金具

このあと、超特急で粉体塗装に持ち込み。時間ギリギリとのことで、塗装屋さんにはお客様に直接引き取りに行っていただいたため、完成写真はありません。本当は黒皮のままでは粉体はダメなんですが、仕方ありません。

掛かった時間をザックリと計算したところ、実働で10日間くらい。受注後、ドンピシャ3週間後でした。土日祝含めず考えれば営業日15日間中10日ですので、こんなもののような気がします。まあ、さすがに追いつかずに休日出勤してるんですけど笑
ちっとも作業が進んでいかないので、焦りますね。もうちょっと数が少ないと助かります笑

こういったものを創意工夫や手作業で製作できるのが、弊社の強みです。
難易度が高い製作物もお任せください。

日進市・東郷町で看板製作 有限会社ロゼ
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