先日、3M製品を取り扱われている仕入先に「切文字ボンド原稿用(原稿ボンド、デザインボンド)」を注文しましたら、メーカーが看板資材としての取り扱いを終了して、文房具?か何かの部門でしか扱わなくなったため、注文受付ができないことになったと言われてしまいました。
え? デザインボンドですよ、看板の仕事の必需品じゃないですか。
3Mの切文字ボンドシリーズには、以前は「フォーム用」というものがありました。生カルプと表面の板材を接着するためのスプレーボンドです。
これは随分前に廃盤となり、パッケージが違うだけで中身が同じ、「スプレーのり99」と統合しています。
今回は、切文字ボンドシリーズの生き残り、原稿用も廃盤となりました。
ちなみに3Mでは、中身は全く同じデザインボンドを、パッケージ違いで「切文字ボンド原稿用」と「スプレーのり55」の2種類ラインナップされてました。今回廃盤になったのは「切文字ボンド原稿用」で、こちらは看板屋さん用として販売されていました。
今後はスプレーのり55に統合され、一本化されます。
切文字ボンド原稿用、つまり「デザインボンド」とはそもそも何なのか、と言いますと、主に紙をスピーディーに貼り付けするためのスプレー接着剤です。(ちなみに他メーカーにはスプレー式ではないものも存在します)
接着剤と言っても、位置が悪かったら剥がして貼り直しができる、便利なものです。
そもそもどうしてこんな接着剤を使うのか、普通のアラビア糊とかじゃダメなのか、と言われそうなのですが。
一般的に事務作業とかで使われている糊(アラビア糊やスティック乗りなど)は、水分を多く含むため、デザイン作業や原稿貼り付けに使用すると、紙がフヤケてしまいます。
原稿用のボンド、デザインボンドは水分を含みませんので、糊をスプレーしても紙がフヤケません。
私がトーゴーアートに入社した頃は、原稿ロールペーパーにロゴなどを実寸書きして、カッティングシートに原稿ボンドを使って貼り付け、手作業で切り抜くという作業を当たり前にやってました。
理由は・・・
入社当初、プロッターが600巾のものしか使ってなかったこと。もう一つは、たった一枚の切文字を作るために、ロゴをトレースしてデータ作成するという作業は、当時はほとんどやらなかったためです。当時のパソコンは動きが遅く、デザインソフトも使いにくい。そして、データの保存や他社さんとのデータの共有という概念がほとんど無かったんですね。
てか、普段のちょっとした看板の仕事では、事前にデザインカンプを作ることはほとんどなく、一品ものの看板のためにロゴをトレースしてデータ作成するよりも、直接カッティング加工した方が早かったのです。
事前にデザインカンプを作る場合は、コピー機とデザインボンドを使っていました。ドラフターの時代ですね。
もちろん今では、カッティングシートの手切りなどは、ほとんどやらなくなりました(とはいえ、これができると結構便利です)。手書きのデザイン図や図面も同様です。
弊社がデザインボンドを使うのは、70~80%がカルプ文字製作時の原稿貼り付け。他に使用するときも似たようなシチュエーションで、複合板を文字型に切り抜く、丸く切り抜く。その他、木彫り看板の原稿貼り、金属板の切り抜きなどで使っています。
デザインボンドが廃盤になるという事は、売れてないという事。他の看板屋さんって、そういう作業はされないのでしょうか。
確かに、弊社が樹脂版などを仕入れている材料屋さんに聞くと、基本的にカルプはほとんど注文が入らないため、在庫していないそうです。これだけの量を発注してくるのはロゼさんだけって言われました笑
弊社ではカルプの受注量は昔から減らないですし、街中でもカルプ文字が使われている看板はよく見かけます。
アクリル加工や切文字などを作る、昔からの職人さんが減り、大型のルーターを使っている会社さんに仕事が流れているんでしょうけど、私からすると、看板屋だったらそれくらい自分で作れよ、としか思わないですね笑
看板は決まった形がありませんから、どんなものの製作を要求されるか分からない。
それに対して様々な工夫をするのが看板屋さんの本質だと思うのですが、いかがでしょうか。
3Mとしては痛くもかゆくもないんでしょうけど、メーカーさんが廃盤にすることで、世の中にはさらにつまんねー看板屋さんが増えてしまうことでしょうね(ゴメンチャイ)。
しかたないので、これからは近所のホームセンターコーナン日進店で買います・・・


